売り上げを基準にした分析手法です。
売り上げの高いほうから低いほうへ向けてA、B、Cと3段階に名付けて分類する方法からABC分析という名前になりました。
恐らくだれでも感覚的にやっていることだとは思います。
売り上げのある商品を大事にしようという事です。
これは「商品の売上高の8割は、全商品のうちの2割の品目が生み出す 」というパレートの法則にも近い用語です。パレートの法則は働きアリの2割はさぼっているというような話でも有名ですね。
実際のところ、お店の売り上げの8割はAグループという主力商品が生み出していることが多いです。
売り上げの全体を100%として、商品1は全体の何%かを見る。(商品1÷全体)そうやってすべての商品の構成比を計算し、構成比7割までの商品をAグループ、7~9割までをBグループ、残りの商品をCグループとします。
売り上げに貢献している商品や顧客などを見える化し、チームで共有したうえで注力することができます。要するにお得意様です。
また売れない商品の入れ替えを検討する目安となります。
大事にするという事を具体的に言いますと
商品の場合は、在庫スペースを用意し、決して在庫切れを起こさないようにするという事です。
売れる商品を見せて、購買につなげ、ご来店したお客様の期待を裏切らないということを叶えるのがABC分析といえます。
しかし、インターネットショップにおいては見せる場所については無限大です。
つまり、商品数が多ければ多いほどお客さんの来店に結び付くという事です。
そういう意味で、ことインターネットショップではABC分析が効果的でない部分があります。
そのためインターネットショップでは、もともとSEO用語であるロングテールという概念でショップ運営を行います。ロングテールについてはまた別の機会に説明します。
また美容院などの接客商売であれば、高額のサービスを利用してくれたり、利用頻度が高い人がABC分析におけるAの位置にきます。
そのお客様に何らかの優遇サービスを提供することがABC分析における対策と言えます。
ABC分析に限らずあらゆる分析においても「期間」と「対象」は非常に重要な要素になりますが、
ことABC分析は一般的に売り上げをテーマに分析されます。
そのため、「期間」外に売れた高額商品や極まれに来る高額消費者は分析から漏れることになります。
また、「期間」内に一過性の商品、つまり流行りの商品がある場合、流行りが収まると重要性が低くなってしまいます。
また、対象の関連性についても考慮されません。商品3が売れない商品だからとほかの商品と入れ替えた場合、商品1が商品3と合わせて購入される事が多いという場合、商品1の売れ行きも鈍くなります。ABC分析では対象間の関係性は分析できないです。